(82~41)
蹴りあげた臀まで灯る情けの火
行為すら辻褄あわせにすぎない
ママしか知らない奥歯へようこそ
つまらん地獄ならよそでやれ
陳腐になるくらいなら明日死ね
袋小路の大蛇退治で御座る
捻くれた哀れな性遺骸ふたつ
お前もシーツも穴だらけの寝具
飛び跳ねる活きのいい新鮮なヤツ
敗者だけが食べられるケーキ
自己嫌悪の肯定ならお前で足りる
毒団子をツマミに硫酸で酔う真昼
大人なら口を閉ざして上品に及びなさいな
擦り切れたベルトと荒れた舌苔
あんたの吹き出物を潰してやりたい
善隣のオーディオはぶっ壊れている
自分は無価値だと言うなら私に寄越せ
お前の惨めな悲愴で突き殺してくれ
惨事のオヤツ
友よ慎み深くあれ
皮肉のから揚げひとつ
無能の美
野蛮産スペシャルマナー
静脈の参道
ことのはの岸辺
焦げたメザシの瞳のような
孤独な傘の群れ
ノックで生まれる今日
あなたと私の目玉妬き
喉下までの情
這い泣き叫び生きること
前人未到の朝に
春食いの娘
静穏はここにて眠る
利口の受難
あやなしの家
待つの木の下様からお手紙です
誰そ彼の消えた庭
私がそう望んだ世界の全て
あれは人、それも人
落日は粗い網にも引っかかる
深層は狭くて怖い